若い二人の何気ない余暇雑話。でも考えてみれば、これって何よりの貴重な奇跡なのかも知れなくて。大都会東京で偶然巡り逢って生活をともにして、同じように過ぎる時間の流れを憂いて、変わらない二人の時間を愛したり、変わっていかなきゃ生きていけない将来に悩んだり。
二人は二度と同じように出逢わない、そして、お互い寄り添っても、あえなく別れても、この会話だけは二度と再現できない。
恋人たちのプライベートなやりとり。山崎ナオコーラさんの『論理と感性は相反しない』を彷彿とさせられました。しかし、これはカップルごとに、唯一無二のものだし、カップルごとのケミストリーが起こす独自の化学変化の予兆を孕んでいます。
奇跡は劇的なものばかりじゃないみたいです。そこここの町並みの、ふとした片隅で、誰かが少しずつ、変わっていく。今日、誰かに、明日、あなたに。そんな奇跡を思わせてくれる、リアルで素敵なラブストーリーです☆