それはとても美しい物語です。
源頼朝の娘・大姫は6歳にして婿養子を迎え入れます。その相手は木曽義仲の息子・義高11歳。
最初は政略結婚という事で、感情を見せない義高。それを受け入れ、親しくなろうとする大姫の、とても愛らしい物語として始まる物語は、基本に忠実な、起承転結の展開で、綺麗な悲恋の物語へと昇華していきます。
文章も読み易く、とても感情移入し易く、詩的とも言える話数もあります。
更に文字数43,090文字のこちらの作品は、読み易い中編でありながら、ラストにはなかなかの仕掛けも用意されています。
きっと最後まで読んだ方は、前に戻って、幾つかのシーンが頭に過ぎる筈です。桜と共に…
(僕は読み直す度泣いてしまう・笑)