「まるでピエロじゃないか」 隣国から来た王女―アシュリー・ラングイールは、どぎつい黄色のドレスにおしろいを塗りすぎて真白な顔になっている。そこへ色彩の濃いアイシャドウとチークでけばけばしく見える。そこへ白羽の矢が立ったのは声は小さく冴えない、いるのかいないのか分からない影のやたら薄い王子―イグノス・ノースフォール。周りからは”影法師”と呼ばれる。 その引き合わされた2人には想像も出来ない秘密があって⋯⋯。

俺は弥勒 ただの鏡さ そして今俺は死にそうだ。 この作品は、茶番要素が、多くなるよていです！ 処女作です。お手柔らかにお願い申し上げます。

ノスタルジーもの、その2

鎌倉時代。 平安時代までは主に貴族に需要のあったおしろいは、武士たちにも広まっていく。 化粧もまた、武士の身だしなみのひとつ。肌もまた相手をはかる基準。 特に浅黒い肌を持つ者の多いとある家では、おしろいが大切な地位を占めており……。

高校生のキキョウは、ある日落として壊してしまったスマホを修理に出したあと「そのスマホで写メにとった本や絵の中の女になる夢を見ることが出来るようになっている」と夢の中の声に告げられ、不思議なアプリを使えるようになる。 マッチングアプリのように他人にばれるのを恐れることなく、あらゆる時代の美しく着飾った気になる女の恋愛事情が夢で体験できるようになった全く恋愛経験の無いキキョウは、 夢の中の女の目をとおして彼女たちの喜びや哀しみから男や社会が女に求めるものを感じ取っていく。 ある日クラスメイトに付き合ってモデル事務所のオーディションを受けたことから高校生モデルとして少しずつ仕事をするようになったキキョウは、撮影のノリでファーストキスをされてしまったユージに深く惹かれていくが、彼には人に言えず背負っているものがあって…。 一方、アプリで夢をみればみるほど昼間起きていられる時間は減っていくことになるのだが、キキョウは伝えられていない。 現代の女にとって、理想的な男とは？ 恋とは？ 社会とは？ 一度きりの女の人生を幸せに生きるためのレッスンアプリ、キキョウは旨く使いこなせるのか…？

真冬のショート・ホラー小説劇場　第１３話「おしろい花の谷の娘」

サイラスが陛下の元で出世していく過程でのお話。 1.サイラス、師匠と出会う 2.サイラス、貴婦人と出会う 3.師匠、驚く 4.貴婦人、驚く 5.サイラス、入隊する 6.サイラス、孤軍奮闘する 7.サイラス、危うく死にかける 8.陛下、後悔する 9.サイラス、誓約を立てる 10.サイラス、敵軍のなかで頭角を現す 11.サイラス、軍師なのになぜか魔女と呼ばれる 12.陛下、半島を統一する 13.サイラス、月下の楼のパトロンになる 14.サイラス、初めて、友だちができる 15.サイラス、小姓をつける 16.サイラス、失敗する 17.サイラス、汚名を返上する 18.音楽と酒とおしろい 19.陛下、遷都する 20.サイラス、領地をもらう 21.サイラス、離婚する 22.サイラス、町をおこす 23.サイラス、身ごもる 24.サイラス、引きこもる 25.サイラス、領地が襲撃される 26.サイラス、出産する 27.サイラス、誓約を破棄する

小夜物語　short tales of long nights 　　第３８話　　　「おしろい花の谷の娘」

　落としましたよ、と目の前に手巾を差し出されたの。 　誰も居なかった筈なのに。おしろいも紅もはげて、みじめで堪らなかったから、下を向いたまま慌てて其れを受け取って、背を向けて顔を隠したわ。 　ひらひらと降る猩々緋。深緋。紅。山吹。鬱金。 　茶、赤、黄……流れと漣に揺られ、世界にたった一つの錦の絨毯が織られて行く。 　私の屈託も流されて行く様な気がしてそれをぼんやり眺めていると、不意に、月が綺麗ですね、と言われたの。

ごはんライス先生の新春課題パートⅡにおこたえしての投稿です。 今回の課題は、落語の三題噺に倣って、お題を二人で各々二題づつ出しての四題噺の小説バージョンです。 ごはんライス先生から出されたお題は、「おっぱい」と「中国」。 私からは、「おしろい」と「お星さま」。 この四つを題材にして一つのお話にしました。 三題噺でいうところの『題』とは、関連性のいかにもなさそうな「場所・人・もの」を、寄席にみえたお客さまがその場で指定するものですが、噺家さんはただ単に噺の中に「語句」を入れればよし、とするものでもないようです。 きちんと「テーマ」や「設定」に組み込まれていなければ「ＮＧ」だ、と聞きました。 そのあたりが私の軽い頭をぎんぎんに悩ませたところで、うまくそうなっているか、ちょっと心配です。 「中国」と「お星さま」は物語の舞台とテーマの中心になっていますが、「おっぱい」と「おしろい」は、人と人との絆を表したもので、その点ちょっと弱かったかな、とも自分で感じました。 どうやら手放しに「整いました！」とはいかないようです。 【華】

ケサランパサラン。 白い毛玉のような物体で、空中をフラフラと飛んでいると言われる。 穴の開いた桐の箱の中でおしろいを与えることで飼育でき、増殖したり持ち主に幸運を呼んだりするといわれている。