傷害はスキルに似ている。スキルがあってもジョブに就けるとは限らないが、スキルがなければそのジョブには就けないのだ。
主人公は子どものころ「転んで」怪我をし、「隻眼の騎士エレジュール」となった。
眼帯に覆われた片目を持つのは令嬢として「悲劇」である。
しかし、見えないからこそ見えるものがある。
見えないことは「不便な」ことであっても決して「不幸な」ことではない。
歩けないからこそたどりつける世界があるように、見えないからこそ見える世界もある。そして口に出せないからこそ、伝えられる愛がある。
隻眼の騎士は、広い世界を知る。
彼女は両目で世界を見るために飛び立つ。
だが、地上を離れた鳥は孤独ではない。両翼を得て、護る雛を、帰る巣を、共に作ることができたから。
エレジュールは新たなジョブに就いたのだ。