イチオシレビュー一覧

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別れというものは、いつも突然やってくる。

今作では、桜吹雪舞う交差点で。

いつも一緒だった彼女。

レモンの香りのする彼女。

突然やってきた彼女との別れ。

彼女は必死で私を探してくれたけど、結局、私と再び出会うことはなかった。

その後、私はクッキーの香りのする人と出会う。

別れと出会い、そしてまた出会う。

別れと出会いの交差点で、2つの香りが交わる時、そこに奇跡は生まれる。



読んだあと、自然と自分も微笑んでいるような、そんな作品です。
ぜひ一度、ご覧になってください。
レビュー作品桜吹雪の交差点でkayako短編ヒューマンドラマ[文芸]
1000文字以内におさめられたパニックSF。

パニックの様子も立ち向かう人々の奮闘ぶり、それから解決に至るまで。
1000文字と制限されているとは思えないほど、その描写が鮮やかで丁寧で、過不足なく。

そして差し込まれる小ネタ。
クスリと笑ってしまったり、なんでだよ! と突っ込みたくなったり。

そして読み終えたあとの、爽やかな満足感。

1000文字とすぐに読み終える文字数であり、なおかつテンポのいい軽妙な文章は読みやすい。
余韻もよく、読み返したくなる中毒性もある。

うわー! うまいなぁ、と唸ります。
ショートショートのお手本のような作品じゃないかと。
エルフの森が燃える。ファンタジーのそんなお約束を独自の切り口から描いたのがこの小説です。現時点で未完ですが、以前カクヨムに掲載されていたものを完結まで読んだ上でのレビューとなります。

主人公は無力なエルフの少女です。
灰色と呼ばれる被差別階級に生まれ育ち、そのせいか卑屈屋で根性なしで、屁理屈ばかりを並べ立てては呆れられる、そんな少女です。

彼女の目線から語られるエルフ社会の歪な構造、その歪な構造ゆえに事件が起き幕を引くまでの一部始終。

物語の主人公である彼女、アンネメナスはヒーローではない。
事件の調査には駆り出されるが、事件を解決することはできない。
始まりから終わりまで彼女は無力で、結果を見れば何を成し遂げることもなかったかもしれない。

けれど彼女の矜持や生き様は、筆者の胸に焼きついて離れなかった。今偶然このレビューを読んだ方々にも、是非彼女の物語の行方を見届けてほしいと思う。
レビュー作品エルフの森が燃えた。久瀬クレア完結済 / 全17エピソードハイファンタジー[ファンタジー]
いいですか?B章までではありません。「C章の1話」までです。
100以上の話数となっていますが、1話ずつの文字数が比較的少ないため、たどり着くのにそこまで時間はかかりません。

序盤の作風で回避することは本当にもったいないです。この物語はいくつかの視点を重ねながら深みを増して、C章1話でそれが明確に現れます。

と、言うのも、全体話数の脅威の全長にプロローグも比例しています。
つまりやっと本編に入るのがそこからなのです。

かなり変則的な構成であり、その分他にはない中毒性を味わえるでしょう。好きな人はとことん好きになる、そんな沼が確かにここにあります。
逆に言えば、ここまで読んで面白くなかった人はこの物語は向いていないかもしれません。

とりあえずそこまで読んでください。話はそれからです。
14633字のホラー。サイコホラー要素も入っています。

物語の冒頭は主人公が友人と「呪いのアプリ」の話をすることから始まります。

主人公は友人と一緒にアプリのゲームを楽しんだりする普通の男子高校生。

彼女持ち。最近、態度が急に素っ気なくなった妹が一人。

そんな彼の所に先程の友人からあるアプリを勧めるメッセージが。そのアプリの名は「かくれんぼアプリ」。内容に若干の不審さを感じながらも立ち上げる主人公。

ところがそのアプリでかくれんぼの鬼になった主人公が捜す対象が彼の家族。それが実名で出てきて……

ここから先は恐怖と惨劇が繰り返し繰り返しやってきます。心してお読みください。

そして、衝撃のラスト。

読み終わった後にもう一度このアプリのメーカー名をご確認ください。背筋の凍るサイコホラーです。
レビュー作品かくれんぼアプリ九傷短編ホラー[文芸]
 男に裏切られ、スーツケースを引いて一人旅に出ようとした女性が辿り着いた先は、成田空港第二ターミナルではなく、千年前の平安京だった──

 社畜の女エンジニアが、手持ちのデバイスと知識と技術を余すところなく使い倒して平安京に渦巻く謎に挑み、そんな彼女を異常な愛情(伝わらない)で包む安倍晴明の恋絵巻。

 詳細に描かれた平安時代の生活はまさにタイムトリップしたような気持ちにさせられ、豪快で男気溢れるヒロインと、若干危ない安倍晴明の重なりそうで重ならない心にやきもきできる一作。
レビュー作品烏羽色の光青丹柳完結済 / 全126エピソード歴史[文芸]
アイドルまで辞めて好きな人の元に向かうほどの一途な思いが凄く良い。そして三枝紫音(しーちゃん)の行動がとにかく可愛いすぎてやばい。
彼女の事を第一に思いながら行動し、反省もしっかして親友のために行動する姿も読んでいてかっこいい。
たっくんとしーちゃんのイチャイチャバカップルには思わずニヤニヤしちゃうほど尊いです。
子供たちの世話をしながらご飯を作るのは至難の業。
じゃぁ外食すればいいじゃんってなるかもしれないけど……それでも問題が多すぎる!

まず、食べたいものが食べられない!
このエッセイを読んでその辛さがとてもよく分かりました。
子供たちに合わせたら、好きなものなんてなかなか口にできない。
それはファミレスに行っても一緒。

子供たちが大きくなったら大丈夫?
んなこたぁない。
大きくなったらなったで別の苦労が増える。

このエッセイを読んで「食べる」ことの大変さがよく分かった。
「食べる」は簡単じゃないんだよー!
タイトルに偽り無しの凡人主人公が頼れる使い魔とダンジョンに潜る日常の話です。

凡人らしさ溢れる主人公の、身の丈に合わない能力と仲間に悩んだり、時に欲望に忠実になったり、よかれと思ったことが失敗したり、権力に振り回されたりする姿にニヤニヤが止まりません。
尚、一番魅力的なのは使い魔なのかもしれない。

個性豊かな友人たち(笑)との心温まる(?)日常も良いスパイスになっています。

主人公の成長とそれを支える『ヒーロー』の姿を見たい人にオススメです!
レビュー作品凡人高校生、動く鎧?と現代ダンジョンへ(旧題:動く鎧?が使い魔になりました)たろっぺ完結済 / 全124エピソードローファンタジー[ファンタジー]
この作品は、ストックが尽きたことを理由に、章末のタイミングで完結済みにしている作品である。

なので、完結している物語をお求めの読者の方にはミスマッチかもしれない。

だが、面白さは保証しよう。

魔法と魔術。どちらも存在する世界で、それを極めんとする主人公は、ある意味サイコパスでありある意味ピュアである。その主人公が好奇心の赴くまま、さまざまな法則を駆使してあり得ない現象を起こしていく。彼は神か?悪魔か?

そんな主人公であるから、ストーリー展開はどう転ぶか読めない。それがこの作品を独特なものとしている。

追放ざまぁ、婚約破棄が跋扈するなろうの日間総合ランキングを駆け抜けて、トップに届くほどの支持を得たことは、その証明に違いない。

俺tueeeなどのテンプレ要素も抑えつつ、確かにこれは待ちに待った「新しい作品」だ。