この作品はシリーズ二作目で、貴族の青年アデュレイと、ワケあり従者リー・リーが出会う一作目から二ヶ月後の物語。
若き辺境伯レディ・シファールが、高級な遊興施設で開くサロン。その場に同席している元傭兵のレディ・エリザベータが呼び寄せた占い師の少女。謎めいた占い師の言葉がサロンに波紋を呼び、さらには辺境伯に献上された一枚のカードには不思議な細工が……
と言った感じで始まるのだが、映画的な描写がとても素敵!
人前では上品で知的なアデュレイ卿も、従者と二人きりだと、やんちゃで手がかかる。これがオカン気質の従者と上手く噛み合って、魅力的なバディとなっている。
そのやんちゃ気質を存分に発揮して、殺人事件に首を突っ込むアデュレイ卿。当然従者も巻き込まれ。
興味深いのは、辺境伯のサロンで各人の占い結果として示されたカード。これがモチーフとして随所で登場するのも見どころのひとつと言えるだろう。