故郷を滅ぼされ、鬼への復讐を誓う若武者、吉備太郎。
竹の中で長い時を孤独に過ごした月の民、竹姫。
純和風の世界。おとぎ話のような優しい文体の中で綴られるのは、残酷な鬼に立ち向かう者たちの葛藤に満ちた物語です。
戦うこととは何か。
正義とは、信念とは、誇りとは何か。
友情とは何か。
若者たちは、それぞれが胸に秘める思いを不器用に持て余し、運命に翻弄されながらも自らの道を選択していきます。
これは新しいおとぎ話でもあり、残酷な鬼に立ち向かうファンタジーでもあり、彼らの苦悩・葛藤を描くヒューマンドラマでもあります。
日本人の心にぐっと響くこの小説。
ぜひ一度読んでみてください。