もし、言葉をしゃべれる恐竜がいたら……?
その恐竜が、ヒトの脳と心を持っていたら……?
その恐竜に「オッカア」と思いこまれたら……?
これは、浅はかな人間の知恵によって試験的に誕生させられた恐竜メイと、怪盗ガンタンのハートフルな物語だ。
クールな怪盗ガンタンが、だんだんと父性愛ならぬ母性愛に目覚めていくところは、どことなく宮部みゆき作「ステップファザー・ステップ」を彷彿とさせる。
成長するメイが自由に生きられる場所を求めて、ガンタンは、危険をおかしつつ連れて逃げようとする。協力者は子分の二人に、メイをつくった当の博士の娘であり、研究所に勤めるヤヨイ。
ガンタンとメイは無事に逃げおおせることができるだろうか?さらに心配なのは、博士の娘という立場で、泥棒たちと共謀したヤヨイ自身である。
まだまだ波乱が待ちかまえていそうなこの物語、次の更新が待ち遠しい。