昨今、特にワクワクもハラハラもさせてくれないのに途中で、なろう小説での更新を止めて「本買ってね」という作品もありますが、この作品は1巻から集めて持っておきたいと思わせてくれます。
各章のまとまりもよく、無闇矢鱈と力を振るわないのでマンネリ感もありません。
全体の流れはよくあるストーリーではありますが、そこに最強の陰陽師であった主人公の苦悩がジワジワと滲み出ていてオリジナリティも出ています。
キャラも敵味方問わず、考え込まれているようで背景を語られていなくとも、短編が書けるくらいのバックグラウンドを感じさせます。
最後に、このお話は、打ちのめされた人間が再び立ち上がってもがき、こうしたらどうだろう?ああしたらどうだろう?と必死に手段を考えているような主人公のお話かと自分は思いました。
なので、主人公が苦悩する度に、泣きそうになります。
主人公の髪に潜んでいる子もこんな気持ちなのかな…。