物凄く考えさせられる物語。感想の賛否両論から読み始めるのに勇気がいりましたが、読んでみて「これは確かにそうなるw」と思いました。
まずはじめに、面白い面白くないではないです。面白いのは間違いありません。ただ、やはり主人公の行動原理が「復讐」であり、勇者が胸糞ですが一応世界を救ってるのにあのラスト……というところで賛否がわかれてしまったのかと思います。たしかに王様の対応には疑問がありますし、勇者も自業自得というには悲惨すぎる最後だったと思います。
でもこの作品を「主人公にだけ感情移入して読む」と見え方が変わると思います。体の一部とも言える女の子を奪われ、心が壊れてもおかしくない。なのに復讐に狂っても復讐鬼にはなりきれない甘さ。最後まで幼馴染を恨みながら眩しかった過去まで恨みきれない人間臭さ。キャラの掘り下げが凄まじい!
これは一つの選択肢。そう思い読むと何倍もたのしくなる作品だと思います