心が折れそうな時、あなたには支えになってくれる人がいるだろうか。
家族や友人でなくともかまわない。その大切な人が、きっと名前も知らぬただの顔見知りだということだってあるに違いない。
言葉で励ましてもらわずとも、ただその控えめな優しい笑顔ひとつで、救われる人間だってこの世の中にはいることを覚えていてほしい。たとえその笑顔が遠いものとなっても、記憶に残る輝きは色褪せることはない。
長生きな桜の木は、迷い悩みながら進みゆく私たちを幾人も見てきたことだろう。戸惑い傷ついたか弱い人間たちは、途切れることなくここを訪れ、しばし足を止め、そして再び歩き出してきたに違いないのだ。ひらひらと舞い落ちる小さな花びらと、うっすらと甘い花の香りは彼から私たちへの励ましなのかもしれない。
笑顔は、思っている以上の力を秘めている。
だから私たちも、前を向いて歩こう。願わくばこの笑顔が誰かの糧となりますように。