一度は国を守ることに失敗し、片目と片翼を奪われた少女軍師レージュと義賊の頭目であるヴァンを中心とした再興の物語。戦記物でありますが、同時にヒューマンドラマでもあります。
少女であるレージュは常に冷静な態度を取る一方で少女らしい弱さを覗かせ、しかし仲間たちに支えられて強大な敵に立ち向かっていく様には心打たれます。特にヴァンと心を通わせるシーンはレージュの年相応の様子がとても可愛くてニンマリ。
また多くの登場人物たちが見せる様々なドラマも魅力的。敵も味方も双方の様々な心情が丁寧に描かれて奥深さを作り上げており、読者である私を魅了していきました。
加えて古代遺跡・遺産や「天使」といった要素が物語の根幹に深く関わっており、今後どのような背景が明らかになるかも眼が離せません。
重厚な戦記ドラマ。たまにはこういったストーリーもじっくりと腰を据えて楽しんでみては如何でしょうか?