転生して幸せになるとは限らないが、人として"弱い"からこそ、主人公の復讐は時に優しく時に残酷。
そんな心情描写も魅力的ですが――。
本作の本質は【創造のカタルシス】にこそ在ります。
既存ジョブが選べない? ならば新たな職業を生み出せ。
仲間が弱い? ならば新たな種に進化させよ。
屍霊ですら意思と心持つ新種と化し、生死の垣根を取り除く。
異形の怪物達を率い、百鬼夜行さながらに"敵"を踏み潰す爽快感。
かと思えば、自身の血肉すら駆使し、食材から工業製品すら生み出して"国"を繁栄させる。
そんな、太古の創世神話じみた"破壊と創造"が、なろうで発展してきたスキル制の世界観とどうしようもなく親和していて。
各話末の「図鑑」を拾い読むだけでも、主人公と共に無から有を生み出す快感が味わえることでしょう。