「武士は喰わねど高楊枝」でも……
誇りを大事に、見栄を大事に、侍は泣かない。
だけど一人になる、ただの男に戻る。
さすれば上に挙げた限りでない。
婚約破棄の話だ。
女じゃない。これは恋に破れた事に端を発し、自らの存在意義すら見失ってしまったとある一人の侍のお話。
彼は女と出会った。
人ではない。それはアヤカシ、妖狐が一人。
男は吐露する。
それは女がヒトではない故、着飾る見栄も必要ないのだ。
きっかけとなる。この邂逅が、男に一歩踏み出させる為の。
そして二年がたったある日。男は知る。
自らが愛した女、自らを選ばなかった女の身に、不穏な兆しがある事を。
作品良いっ! って思っていい所を紹介しようと思ったのに、何故かあらすじの様になってしまいました。
切ないです! でも温かくなれます。
好きな方は絶対いるはず。そんな人に読んで欲しい。
そんなレビューもありだと思うのです。