ゾンビは苦手だ。
読むのも書くのも、観るのも駄目だ。無差別に、いきなりやって来ては殺戮をくりかえす恐ろしさに、心臓が縮みあがる。ゾンビものには触れずに過ごしてきた。
なのに、はまった。
毎回の更新がたのしみで仕方がなかった。
屈託のない明るく人好きのする女子高生と、どこかぼんやりとした青年が終末の世界を歩いて行く。
ふたりの行く手には様々な人々が交錯する。どこにでもいるような家族がいる。人間関係の苦手な人がいる。地下アイドルがいる。孤独な老婆と猫がいる。そして多くのゾンビが登場する。
誰かに愛されるリア充が、まっさきに死んでいく世界。
死ねない者は、愛の溢れる終末世界で苦悩する。あるいは絶望する。あがく。生きようとする。
ふたりは歩く。
あたしは『終わり』を目指して歩いて行く。残酷な世界で、それでも彼女は愛を求める。
なら、貴方は? この物語りを読んだ後、世界にナニを求めるだろう?