まさにどんでん返しの連続。
解決したと思ったら一転して続く、読者に向かって仕掛けられた罠。
幾度も予想を裏切られ、やっと迎えた結末では……
この作品を説明するのであれば、
近未来を舞台に据えた恋愛ストーリーであり、
将来起こりうるのではないかというリアリティを伴ったサスペンスであり、
そして「柊」というキャラクターを軸に複雑に絡んだヒューマンドラマ・ミステリー、というべきでしょうか。
上記のどれを取り出しても十分に魅力的なストーリーなのですが、それらを絡み合わせた結果、更に魅力的な物語に昇華されています。少なくとも、普段この手のジャンルを読まない私を一気に最後まで読ませるくらいには。
それぞれの想いが、葛藤が、苦しみがしっかりと描かれ、だからこそ読者を惹きつける恋愛ミステリー。
読みやすい文体であり、食わず嫌いは何処かに投げ捨てて、ぜひ読んでみては如何でしょうか?