和風ファンタジーであるこの作品をそのまま読むと、少し面を食らうかもしれない。
ほのぼのとしている前半と異なり、後半は血みどろなバトルシーンにかなりの力を入れている。
一つ一つの文章に躍動感があるため、最初からクライマックスとでも思えそうなバトルが続く。
ストーリーはどことなく淡泊だが、そこが逆に小難しいものとは違って一気に読める作品となっている。お手軽と言うと失礼だが、読み手に苦しい思いはさせない。
主人公たちには明確なキャラづけと特徴的な言動があるため、ここも読んでいて頭の中がこんがらがることことがない良い点だ。
和風ほのぼのファンタジーと思わせきや、なかなかのダークさを持つこの作品は、気軽に読める程よい重さである。