初めてのレビューはこの作品と決めていました。
3年前「なろう」を知ってから一番最初に読んで、「なろう」のテンプレが好きなのだと自覚させられた作品。
以来、目につく作品を片っ端から読み漁ってきましたが「無職転生」以上の作品には未だ出会えていません。
本作は、まさに「なろう」のテンプレ要素がてんこ盛りのストーリーなのですが、それを表現する文章には余分な贅肉など無く、端的かつ平易であるにも関わらず圧倒的な臨場感に溢れています。
旅する世界の広大さ、迷宮での孤独感、避け得ない事象への絶望感、見えざる敵への恐怖感等を、本作ほど強く感じた「なろう」小説はありませんでした。
特に153話「ターニングポイント4」は、話の展開の不気味さに鳥肌が立ち、思わず後ろを振り返ってしまった程です。
主人公ルーデウス・グレイラットの『生涯』を描いた傑作、異世界冒険モノの中で真っ先にオススメしたい作品です。