この作者のはいつもヒロインが可愛い。
また、魔術のような現実にないものを表現する、という面でも、面白い言葉選びをしていると思う。
……なのだが、この作品は「なぜその子がヒロインなのか?」というところが弱い。
設定上、主人公は30回、人生を歩んできてるんです。
人生の酸いも甘いも知り尽くしているはずなんです。
中世風(?)な世界観である以上、差別も、飢えも、苦難も、暴力も、人死にも、数え切れないほど見てきたはずなんです。おそらくは1000年以上も。
それがなぜ、31回目でたかが田舎の女の子1人にコロっと心動かされてしまうのか。
なぜ、「コレ」がヒロインなのか?
私個人の意見としては、そこがどうしても納得できませんでした。
批判から入ってしまい申し訳ありません。
ですが、それ以外は高レベルでまとまっておりますので、それが気にならない方で、ヒロインと魔法と内政が好きな人にはお薦めです。