イチオシレビュー一覧

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いうなれば、エクストリーム・カーテシーとでもいうべきか。
つぎつぎに繰りひろげられる、カーテシーの奥義の数々。
そして、王子のハートをとらえるのは、いったい誰なのか.......ッ?

記録、それはいつも儚い。
一つの記録は一瞬ののちに破られる運命を自ら持っている。
それでも人々は記録に挑む。
限りない可能性とロマンをいつも追い続ける。
それが人間なのである。次の記録を作るのは、あなたかも知れない

というナレーションを思い出したのでした(年齢がバレますね)
「夜語り甘味抄」は、単なる甘味処の物語を超え、現代社会における心の拠り所の重要性を示唆しているように感じました。声、故郷、悪夢という、それぞれの客が抱える「失われたもの」や「縛られた心」を、甘味という普遍的な慰めが静かに解き放つ描写が印象的です。
 店主の匿名性と深い慈しみは、現代のカウンセリングや癒しのプロフェッショナルに通じるものを感じさせます。言葉ではなく、行動(甘味の提供)と「在り方」で人々を導く姿は、情報過多な現代において、本質的なコミュニケーションの価値を問いかけているようでした。
 人々の癒しが連鎖していく展開は、個人の問題が社会全体に良い影響を及ぼす可能性を示しており、希望を感じさせます。都会の片隅にひっそりと存在するこの甘味処は、現代を生きる私たちにとっての「心のオアシス」のようですね。
レビュー作品四都物語異聞:夜語り甘味抄いわたとおる短編ハイファンタジー[ファンタジー]
 この優しく、ほっこりとした世界に癒されます。

 ある写真館を営むおじいさん。その写真館に、とある「お客さん」がやってきます。
 それはタヌキ。
 タヌキは、「宝物を撮影して欲しい」と依頼します。子供が生まれたので記念写真を撮りたいと言う。

 もしかして化かされて葉っぱのお金を渡されるかもしれない。そう思いつつも、「面白そう」と思って依頼を受けることに。

 タヌキだから、後で車に轢かれないかと心配するおじいさん。そして、おじいさんに心からの感謝をするタヌキ。

 優しい人間と、純真なタヌキたち。その交流がとてもあたたかく、読んでいて優しい気持ちになれます。

 とてもいいものを読んだなあ、と思わせてくれる、素敵な作品でした。
レビュー作品記念写真時輪めぐる短編ローファンタジー[ファンタジー]
 ひたむきとか健気とか、そんな言葉の似合う主人公の姿が、とても胸にきます。

 とある村に住む少女。彼女はお花畑を訪れては花を摘むことのみを生き甲斐していた。

 少女は外で行き倒れていた一人の少年と出会い、病床にある彼と親しくなっていく。しかし、彼の容態は日に日に悪くなっていって……。

 彼のため、彼女に出来ることはあくまでも、「花を摘む」ということだけ。

 その先で彼女の取る決断が、とても切ない感興を読者に与えます。「彼」という存在を知ってしまった彼女は、再び「彼のいない世界」に戻ることは考えられない。
 ここで彼を失うことを受け入れたなら、「花を摘むだけの日々」で心を満たすことは絶対にない。

 「命」のために「愛」を諦めることはしない。そして「代価」を求めることもしない。
 そんな純粋な想いが強烈に心を揺さぶってくる作品でした。
レビュー作品花摘む少女成野淳司短編ローファンタジー[ファンタジー]
地球の環境は変化している。
そしてそれもあって地球生物の生態は変わり始めている。

だがしかし。
人間がそれに合わせられるとは限らない。

それぞれの生活のために、時に両者はぶつかり合う。

本作における外来種UMAの獣害事件もまさにそんなぶつかり合いの一つだ。
そして本作において、UMAの故郷の住民は獣害事件にどう立ち向かっているのか。

いや、正確にはどう無理に立ち向かわないようにしているのか。

人間と動物。
その生活圏について考えさせられる一作です。
知らない土地で迷子になったときの心細さは辛いものがありますよね。親切な方に道を聞くことができたら嬉しいですが、誰も通らないような辺鄙な場所で迷子になってしまうと本当に大変なことになってしまいます。携帯電話を持っている私たちでさえ頭を抱えてしまいそうなのに、おもちゃともなれば一体どうすればいいのでしょう。

本作の主人公は、うっかりカラスにさらわれてしまった人形のマリー。大好きな持ち主のクニコちゃんの元に帰るため、マリーはクニコちゃんとはぐれた高速道路のパーキングエリアを目指すことにしました。そんなマリーのことを助けてくれるのは、自由を求めるキケリキー男爵で……。

常に紳士のキケリキー男爵が本当にカッコイイのです。これこそ〇界のイケメン、スパダリに違いありません。マリーとキケリキー男爵の会話をどうぞお楽しみください。よろしければ、「キケリキー」の意味は作品を読了後に調べてみてくださいね。
レビュー作品マリーの大冒険烏屋マイニ完結済 / 全3エピソード童話[その他]
 とにかく主人公が明るい! Vtuberだったからいつもテンションが高くて結構好きです。読んでるとこっちも元気をもらえるような口調で進んでいって、しかも展開が早い。
 読んでいて『まだこの話終わらないの?』みたいに思うことがなくてとても読みやすいし、1話あたりの文字数も長すぎないから、すらすら読める。

 そして物語の最後には信じられない結末が・・・・・・?

 隠された伏線に鳥肌立って3周しました。かなりオススメです。ぜひ読んでみてください!
世界が「御霊代理戦争」という異形の秩序に覆われた中で、主人公・幸裂仰生くんが背負う呪いと、その先にある希望や優しさがとても丁寧に描かれていて……思わず彼の一歩一歩に寄り添いたくなります。ときに冷たく、でもどこか温かい仲間たちとの関係も、ぎこちなくて人間らしくて、愛おしいですね。戦いや異能といった非日常の中に、日常の柔らかな感情がそっと差し込まれていて、読むたびに心が揺れました。とくに祖父との別れや、仲間との距離感の描写には、静かに涙が滲みます。仰生くんが選んだ「生きる」という決意が、どうか彼を優しい未来へ導いてくれますように……そんな祈りを込めて、これからも見守っていたい作品です。
レビュー作品御霊代理戦争【Proxy War of the Spirits】深川我無@書籍発売中連載中 / 全73エピソードアクション[文芸]
上司と合わず会社を辞めたた主人公はアパートでごろごろしていた。ある朝、ゴミ仮置き場にゴミを出しに行ったらばゲーム小機があって、大家さんに「曜日が違う」と言われ、押し付けられてしまう。手にしたら――こいつ、動くぞ――となり機動。勝手にゲームが始まってしまう。どうやらそれは一種の魔道具であった。ゲームは生命のリミットを10年にする代わりに、身体能力や回復力が常人よりも桁違いになるというもの。

困ったときに人の情けはありがたい。親切に教えてくれる先輩プレイヤー二人がいたかと思えば罠で、寿命リミット残数90日まで奪われ絶体絶命。と、思いきや、意外な方面から救いの手が差し伸べられる。

魔道具が指示するミッションの場所は、近所の里山から、パリ――。ゴブリンやらガーゴイルやら、おなじみのモンスターが登場。主人公は付け焼刃の格闘術で戦い抜ける。サバイバルだ!
レビュー作品--GAME PLAYER--(このゲームは寿命を消費します ゲームを開始しますか?YES/NO)セイシュウ連載中 / 全95エピソードローファンタジー[ファンタジー]
異世界で2年間、勇者として戦ってきた主人公・いおり。
物語は、彼が現世に戻り、平穏な学生生活を送っているところから始まります。
一見すると、青春恋愛もののような始まり――しかし、読み進めるうちに明らかになる「異世界に残された謎」や「現世で起こる数々の事件」。
次第に、読者もいおりとともにタイムリープの渦に巻き込まれていきます。
異世界ものが好きな方はもちろん、現実と非現実の交錯する物語が好きな方にもおすすめ。
登場人物ひとりひとりがどこか怪しく、でも魅力的で、目が離せません。
タイムリープ能力の使い方も独特で、最後まで惹きつけられること間違いなしです。ぜひ!
レビュー作品異世界帰りの勇者、恋愛に現を抜かすミゾレ連載中 / 全31エピソード現実世界[恋愛]