神戸大震災被災者の声。
特別な話だと思いますか?
いいえ。
ここに書かれるのは傷つけられた人の心の動き。
これは、傷のお話。
被災者は皆同じではない。
大切なひとを目の前で失い自責に潰されそうになっている人。
住処を失い途方に暮れている人。
それぞれの違った悲しみ。
違っていること。
それがうっすらと知らぬ間に共感を阻む。
自分程度で、〜に比べたら傷ついているなんて言えない、頑張らなきゃ……私の傷など、傷ではない?
いいえ傷はそこにあります!!
巧妙に蓋をされた傷に私は何ができますか?
わかるよなんてとても言えない。
二次被害を与えるのが怖い。
黙ってしまう。
私はそう。
傷ついた人に触れる勇気がない。
傷ついているあなた自身も、そして傷を前に黙り込んでしまう私も、どうか傷ついているんだねと傷の存在を承認してやってください。
傷は、ただ見つけてもらえるのを待っているのです。