秀吉は女に傾倒したが、この作品の主人公マインは本に夢中になって騒動をまきおこす。何度叱られても成長しないのが面白い。
物語が進むにつれて身分があがっていくその様は、さながら異世界女太閤記である。まあ、マインには野心などまったくないのだが。
ジャンルはなろう小説の典型的な異世界転生チート物であるが、その内容は他とは一線を画す。登場人物の描写が丁寧で深いのだ。世界観も凝ったもので、広がりと奥行きを感じさせる。
私はこれまで数多くのなろう作品を読んできたが、途中で飽きることが多かった。話が進むにつれて、質が落ちてしまうのだ。しかし、この作品は話数が多いにもかかわらず最後まで質が落ちずに続く。
素晴らしい作品を完結まで描き切った作者の努力と才能に惜しみない賛辞を送る。また、この作品が無料で読めることに深く感謝する。