この作品を見つけてから2年経ちました。
主人公のマインちゃんは、転生する前から本が大好きで、常にそれを追い求めてやまない。最初から一貫していてぶれません。
病弱でも、体力がなくても、本がなければ、安心して読める環境から作ろうとする。本がなければ作ろうとする。そしてえらいことになっていく。本があるとわかった瞬間、読めるところに突撃する、そしてえらいことになっていく。
思い付いたら一筋、そんな彼女は周囲の人を容赦なく巻き込んで、全ての運命を片っ端から変えていく。それは寂しい結果になることもあるし、理不尽な結果になることもありました。しかし、それに救われた人がいるのも確かな事実。
最後まで読んだ時、彼女の根幹にある幼くも確かな愛情と欲望そのものがこの結末を導いたのだ、と感じることでしょう。日本で生きていた時の家族への想い、ユルゲンシュミットという国で共に生きた家族への想いが、そこにありました。