今、生きていて、この世界をすばらしいと思える人は、とても運が良いと思う。
この世界には、理不尽で悲惨な出来事がたくさんあって、少しでも運が悪ければ、その当事者になってしまうからだ。
そして、この小説は、たぶん、この世界がすばらしいと思える人には必要のないものだろう。
でも、この世界は、全ての人々がすばらしいと感じるような理想郷ではない。
だから、こういう小説が必要なのだ。
きっと作者は違うと言うだろうけど、この小説は、理不尽な世界の元凶となるもの破壊しながら、その世界が再生する可能性を示唆する癒しの物語だと、私は思う。
途中の展開からは想像もできないくらい、結末が爽快なので、最後まで読む事をおすすめします。