小学生宮廷劇と僕は勝手にこの作品をそう呼んでいる。
いやはや吸引力の半端ない作品です。
事の起こりは、紙夜里という百合気のある少女が転校を前に、幼馴染の美少女美沙子を振り向かせたいと考えるところから始まります。
しかし、美沙子は同じクラスの男子生徒幸一に夢中で、なかなか自分に靡いてくれない。
そこで紙夜里は美沙子をクラスから孤立させ、そこで手を差し伸べれば自分を頼ってくれるようになるだろうと、色々策謀を巡らせるわけですね。
まあその手練手管は本編のお楽しみですが、なかなか予想通りにいかないところが面白い。
多彩な登場人物の思惑が錯綜するところもこの作品の見どころです。
小学生がここまでするかという疑問が湧くかもしれませんが、子供は小さな大人なんですね。
子供の世界にも政治があり、権力者がおり、虐げられる者も居ます。作者の筆はそれを活き活きと捕らえていると思います。