残虐な王が望むのは、自分の世継ぎとなる男児の誕生。これまで五人の妃がそれを叶えることができず、命を散らしてきた。
そしてむかえられた六人目の妃。彼女はお腹にいる子供にそっと呟く。
『ーーこの化け物め、お前なんて死んでしまえ』
そんなある夜、王が大怪我をしたとの知らせが夜の帳を引き裂く。妃は手で顔を覆った。その顔は密かにーー笑っていた。
嬉々として死に際の王のもとへと馳せる妃。王のどす黒く干からびた手は臨月の妃の腹に触り、生気を取り戻す。
爛々と輝くその瞳に妃は戦き、王に寝具を押しつける。
部屋に響き渡る悲鳴、飛び散る血飛沫、その瞬間張り裂けた腹。妃は血塗れの羊水の中で意識を失ってしまう…。
ーー産まれた子供は果たして本当に化け物なのか…?それを確かめるのはあなたしかいない。