賞賛すべき点が多すぎて、このレビューでどの面を採り上げるのかは悩ましいのですが、2点。
①哲学的深さ
本作の主人公にはチートがありません。持って生まれた才能がない中で、悩み考えながら国のピンチを切り抜けていきます。このストーリー設定がまず深いのに、ルソーやパスカルなどの思想・哲学分野からの引用まであります。こんなに軽薄さを欠くラノベはなかなかありません。
②知略が勝敗を決する戦闘シーン
①だけ読むと、どんなお堅い話なんだよ、と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。戦闘シーンもとても熱いのです。
僕は、ハンターハンターや金色のガッシュみたいに、主人公の方が実力では相手に劣るのに、頭を使って格上の相手を倒してしまうストーリーが大好物なのですが、この作品にはその要素があります。え、もう無理でしょ?というところを、意外なアイデアでひっくり返してしまいます。
必読です。